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第6弾スタケーション体験記 by きょろちゃん

1.はじめに

はじめまして。きょろと申します。今は関東で小学校の教員をしています。

 

現在30歳。色んな大人たちに(いや、私も年齢的には十分大人なのか)ようこそ!30代へ!と言われます。こんな私が30歳で良いのかと思いつつ、自分なりに自由にできるお金と時間(7、8月限定ですが笑)がある現在を謳歌しています。

私がどうしてスタケーションに参加したかというと、尊敬する方(生き方がかっこいい上司、なのかな。)が推してくれたからです。

大自然を堪能できて、自分ではできない体験(漁師とか猟師とか)ができて、しかもそこに住む人たちと関わることができる!しかも定員が5人と少人数だから絶対濃密!

 

とっても魅力的な活動なのですが、

・主催が環境活動家(ど、どんな人だろう、。)

・大学生が大学生のために考えた企画。(対象は大学生以上だから社会人もOK!だそう。) (気分は大学生だけど、いいかな、?30歳受け入れてもらえるのか?)

・コロナ禍で関東から行ってもいいのだろうか

 

という不安というか迷いも正直あったのですが、尊敬する方が推すなら大丈夫!という他人よがりの自信をもとに参加しました。

 

 

結果、参加して、とっっっってもよかったです!

声を大にして言いたい!

迷っているなら、

ぜひ!参加するべき!!

行こうと決めた私、本当にグッジョブ!! そして機会を作ってくださった方々に本当に感謝しています。

 

このスタケーションの魅力は、様々な活動で色んな見方ができること。色んな人に出会えること。 参加してみる価値は大ありだと思います。

 

この文章は、私が第6回スタケーションに参加して感じたことをつらつらと述べています。長いかもしれませんが、写真だけでもパラパラーと見ていって頂けると嬉しいです。

 

一応大まかにですが

  1. はじめに
  2. スタケーションで過ごした5日間について
  3. 全体の感想(これからについて)

と分けて書いていきたいと思います。

2.スタケーションで過ごした5日間について

1日目!

チェックイン!

こちらが、5日間お世話になる Acitive Life YADO。

 

お、おしゃれ、、。

環境に配慮したゲストハウス。ゲストハウスにはおしゃれなポスターがちょこちょこ貼ってあって、(たとえば生ゴミをコンポストに!とか、トイレに流す水の量とか)私が一秒気に留めるだけで、できちゃう環境活動もあるのだなあ、と。ふむふむ。

ドミトリーのベットの頭元には貴重品を入れれる鍵付きのスペースがあるし、外観同様部屋も綺麗だし、有料で洗濯機と乾燥機も借りられるし、、、長期滞在でも快適に過ごせちゃいそうでした。

 

 

ご飯について

基本的にご飯は自分で用意調達します。

自転車を貸してくださるので、車がなくても大丈夫。自転車で行ける距離にご飯屋さんもスーパーもあります。(歩道が狭いので自転車に慣れない人は注意。)

また、大きなキッチンを貸してくれるので自分で自炊もできます。(しかも!調味料などは自由に使っていいものがたくさん!)

隣はコンビニなので食には困らない。 でもね!せっかくならね!となるべくコンビニに頼らないことを心に決める。

実際は、 地元のスーパーに買い出しに行ったり

お世話になった漁師さんや猟師さんから食材を頂いたり

所長の了大さんの車に乗っけてもらって石巻の美味しいものを食べに行ったり と、

コンビニには頼らなかったけど色んな方々に頼った5日間のご飯でした。

 

 

4泊5日の流れの確認

スタケーションには必須科目と選択科目があります。

なので、自分の興味の赴くままに行動に移すことができます。また、活動と活動の間は自由。

今回私たち参加者は選択できるものは全て選択。モリモリの内容でしたが、海に浸るのもよし(魚釣りに行く人も過去にはいたそう)、石巻美味しいもの巡りしてもよし。

自分が何をしたいのか、選択する。選択できるって、いいなあと思いました。

だからここは、環境配慮型ゲストハウスのアクティビティだけど、色んな想いを持って集まる人がいるんだなあと思いました。

私たちはこんな感じの計画を立てました。(時期によってはできない科目もあるそうです。)

 

写真には書いていないですが、毎朝6時30分に起きて海浜掃除にも行こう!とも決めました。

2日目 SUP!

牡鹿半島の大自然に触れました。

 

体幹弱い私にできるのか心配でしたが、(自転車フラフラ。スキースノボ立てるの1秒、、)了大さんが一つひとつ説明してくださって、 なんと!私でも立てました!楽しめました! 大自然の中、漕ぐ。最高。モアナになった気分。

2日目 相澤さんちの海苔工場見学

スタケーションでは養殖業と沿岸漁業の漁師さんに話を聞くことができます。

1人目は、海苔養殖をされている相澤さんです。 みなさん、海苔ってどんな風に育ち、加工されているか知っていますか?

私は地元は有明海の近くで毎日のように海苔を食べていたのに知りませんでした。

相澤さん(含め多くの海苔養殖の方は)海苔を育てて取るだけでなく、普段私たちが見たことのあるような姿になるまで加工して、出荷しているそうです。

 

ゴミや他の生物が入らないように何回も何回もとり除き、切って、漉く。

色、厚み、重さ、均等さで値段が大きく変わってしまう海苔。どう加工するかも漁師の腕の見せ所だそうです。

相澤さんには、東日本大震災当時の話、そこから今また海苔養殖を始めた話も聞くことができました。

初めて会う私たちに、当時のこと、辛かったこと、ボランティアの方々のこと、家族やまちの人たちのことを話してくださり、震災のことをテレビでしか知らなかった私には被災地の方の想いに触れる有難い経験になりました。

震災をきっかけに始めた海苔の(一般のお客さんへの)販売についても話を聞きました。

自分が美味しいと思うものを心を込めてつくって、加工して、食べてもらう。機械ではなく人だから出せる温かみに気づきました。

 

相澤さんちの海苔、とっても美味しい海苔。関東に帰った後もリピートしようと思います。

3日目 小漁師体験

漁師の方2人目は、牡鹿半島の蛤浜で小漁師をされている亀山さんです。

 

まずは、亀山さんが仕掛けてくださっていた罠を引き上げます。(時期によって何を狙うのかは変わるそうです。) 今回はイシガニ、シャコ、アナゴがとれました。(あと、食べられないけれどヒトデもたくさん。)

美味しく食べるための下準備も教えていただきました。シャコはその日のうちに食べちゃいました!(美味しかった…海の恵みありがとう)

亀山さん、前職は教師。YADO(私たちの滞在宿泊施設)に帰ってからは、なぜ今小漁師をされるようになったのか、浜の暮らしを大切に、そしてずっと繋いでいくための奮闘について聞くことができました。

浜の暮らし。豊かな自然。素敵だな。素晴らしいな。と思うだけでは維持できなくて。

自分たち家族だけが快適だと思っていても未来もずっとそうかと言われたら放置していたらダメで。

気持ちだけでなく、行動に移し、浜で自然と人と経済とをうまく回していくための取り組みについて話を聞くことができました。

「観光業」だけでない、浜の暮らしを守る起業力。成功体験だけでなく、失敗したことや犠牲にしたこと、そこからの立ち直りについても話してくださりました。

自分が好きなまちや自然を私はどうやって維持できるだろう、と今も悶々と考えています。 ここでは、人と人との結びつきを大切にしていることも伝わってきました。全部自分でなんとかしようとするのではなくて、色んな人たちがそれぞれ自分に何ができるか考え、行動に移す。仲間に任せる。蛤浜に住んでいても住んでいなくても蛤浜のことを思い行動に移すつながりの力を感じました。

 

 

3、4日目 狩猟(くくり罠)入門

講師は島田さん(ダルさん)。狩猟だけでなくDIYや建築、起業支援などたくさんのことをされている方です。話を聞くだけでワクワクします。

 

ダルさんには、なぜ鹿を狩っているのか、命を頂くこと について学びました。

ダルさんからは、鹿を大切に扱われていることが伝わってきて。

普段私は普通に精肉を買って、食べているけれども、本当はこんなにも大事な命のやり取りをしているんだな、と実感しました。

私が見せていただいた山はとっても明るくて生き生きしているけれど、ただ放置しているだけではこうはならなくて。維持して、かつ次の世代にも繋げることは大切だけど大変だなとも思いました。

お金になりすぎてもならなすぎても困る。難しいなあ。

 

今回、たまたま鹿の命を頂くこともできて。

有難いなあと思っていただきました。(とっても美味しかった。)人間って、日々たくさんの命をもらって生きている。なんて傲慢なんだ。なんて思ってしまったけれど、これからも有り難く、美味しく頂こうと思います。ありがとう。

 

 

4日目 自炊隊

石巻最後の夜は、石巻の方々と食事を作って食べる機会を作ってくださりました。

今までの活動でいただいたカニ、アナゴ、シカも。

 

最高の夜でした。

いやあ、本当にご飯がおいしいし、楽しかったんですよ。

もちろん、普段もおいしいー!て思って食べてますよ?でもね、人の顔が見えるご飯て本当においしいんだなと。

 

 

人の顔が見えるご飯とは何かというと、

たくさんの人がわいわいがやがやしながら、交流できるご飯というだけではなくて、

料理をみたときに、育ててくれた人、とってくれた人、その食材のあった場所 が見えること。

自分でとった(とか言うとおこがましいけれど。)とってくださった人たちと、その人たちの思いが見えたご飯。だと思ったのです。

 

やー、大切にしなきゃなって思いました。もっと感謝しなきゃなって思いました。

同じ釜の飯を食う。という慣用句があるけれど、体験したことで(かじっただけだけど)生産者の思いに触れて、そこに関わる人と少し深く話せることもとても有難い経験でした。 

 

5日目 石巻観光

了大さんのご好意で帰る前に石巻観光へ連れて行ってくださりました。

美味しいソウルフードも食べられたし、お土産も探せたし、市街地を見て回れて楽しかったです。

 

そして石巻に行くなら見ておきたいと思った、石巻南浜津波復興祈念公園、みやぎ東日本大震災津波伝承館 にも行かせてもらいました。

海と山とを結ぶ道。広々とした公園。初めてこの地に来たので、澄んでいて綺麗だな。と思った場所でしたが、ここにはかつて町があり、たくさんの人が住んでいた場所でした。

 

日本にはたくさんの祈念館や祈念公園があります。

それぞれの想いを汲み取って生きていきたいと振り返られる大切な場所であって欲しいと思いました。

3.全体の感想(これからについて)

私がスタケーションを通して感じたことは、短く言うと

・顔の見えるご飯、最高だな!

・前を向いていきる方が、きっと楽しい。

でした。

(・顔の見えるご飯、最高だな! については自炊隊で述べたので割愛します。)

 

今回、石巻に行きたい!と思った理由のひとつに、

自分が東日本大震災のときに何もできなかった、という後ろめたさ。がありました。

 

学生ながら寄付はしたし、ボランティアの為休学した友人の手伝いもした。

けれども、現地の人が何をしてほしいと思っているのか、どんな想いでいるのか知らなかったし、ニュースでしか知ろうとしなかった。そのことに負い目があったからこそ、震災から10年たって人々はどんなこと感じて歩んでいるのかな、て自分で見て、知りたいと思っていたのです。

 

で、実際、石巻の方に会ってお話させていただくと、(お話させていただいた方々は)みなさん、本当に元気で。前を向いていて。

でも、お話してくださる中で節々に震災の記憶、体験があって。 きっと色んな想い、葛藤、後悔の中の10年だったんだろうけれど、 それでも、かっこよく生きる姿に私がとても元気をもらいました。

石巻の方々からはたくさんの言葉をもらったけれど、その中でも心にささったのは、蛤浜という集落に住んでいる方の言葉でした。

「震災で亡くなった人もだけど、じいちゃんばあちゃん、代々の先祖とか、今はいない人たちの思いも全部背負って今、生きて、繋いでいるんだ。」

 

かつてあった豊かな海の暮らし山の恵み、そこに住んでいたたくさんの人々。

持続可能な社会。と最近よくきくけれど、先祖の人たちは、まだ見ぬ私たちのために、 明るい森を維持したり、家を建てたり、個と個が深く関わる生活をしたりしてたんだなと思いました。

 

便利って楽ではやくて無でもできるから流されがちだけれど、未来にのこしたいものは何かと考えると、ちょっとがんばれそうな気がしました。

 

あと、救われたのは、「誰にでもタイミングがあると思う。」と言ってくださったこと。

自分都合かもしれないけれど、震災から10年経った今だからこそ、30歳になった私だからこそできること、感じられることはあるのではないかと思ったのです。

過去に思うことはあるけれど、前を向いて皆の分までがんばろうと思ったし、そうやって行動に移している人はかっこいいし楽しそうだなと思いました。

 

 

最後に

ここまで見てくださった方々(いらっしゃるのか、、?)本当にありがとうございます。

このスタケーションで学んだことを活かして、私ができる小さなアクションを積み重ねていこうと思いました。

(例えば地産地消とか、家の近くの川掃除とか、食や物をつくり消費する時間を大切にするとか、、。)

あとは、教員として伝えられることはあるんじゃないか、とも考えています。(難しいんだけれど)

 

きっと、スタケーションで感じることや得られるもの、変わったことは人それぞれですが、きっと少しでも何かしらに興味がある方には刺さる活動だと思います。

ぜひ、皆さんも自分は何を感じるのか、自分の目で耳で手でそして心で体感して欲しいです。

私に関わってくださった方、そしてこれからも繋がってくださる方々、本当にありがとうございました。

 

 

 

2021年8月8日 きょろ